【入社1年目】初めての大きめ案件の本番移行(退職まであと17年)

【俺の退職記】初めての大規模案件編 俺の退職期

17年半勤務した会社を体調不良により退職した元SEのヨシヲです。

「俺の退職記」と称して、私の17年半の会社員生活を振り返ります。

今回は、入社1年目のヨシヲが初めて体験した大規模案件についてです。新入社員で訳も分からずなんと乗り切った経験は、良くも悪くも、後のSE人生に影響を与えることになりました。

初めて1億円以上の案件への参画

初めて1億円以上の案件への参画

入社してしばらくは、小規模案件をちょこちょこと対応させてもらっていましたが、1年目の秋から冬にかけて、大規模な案件がありました。1億円以上の規模なんですが、3ヶ月ちょっとで終わらせるというなかなかの案件でした。元々のチームメンバーではとてもではないですが対応しきれない規模なので、各所からメンバーを集めての対応となりました。

バックオフィス系のシステムを担当

バックオフィス系のシステムを担当

私は、バックオフィス系システムの担当でした。全てスクラッチのシステムです。

まず、よくある話ですが、既存のバックオフィスシステムの設計書がありません。今回の改修では、設計書がない状態ではシステム改修できないという判断があり、まずは設計書を起こすということから始まりました。思えば私が担当してきたシステムはこんなのばかりでした。仕様はソースを見るしかない。設計書もないし、知っている人もいないという状態。ダメなんですが、自分の頭の中ではこれが普通になってしまってました。

既存機能を大幅に改修するのだけではなく、新規機能も構築しており、その一部を私が担当しました。あるボタンを押すと、色々なところから債権債務情報をかき集めてきて、取引先毎に、請求書もしくは入金連絡書をFAXで送信し、仕訳の元データを発生させて経理システムに送り込むというものでした。

仕様変更、、と言うか仕様が決まらない

仕様変更、、と言うか仕様が決まらない

スケジュールにかなり無理があるプロジェクトだったので、色々なことが五月雨式に行われていきます。仕様も曖昧なうちにコーディングが開始され、その結果、怒涛の仕様変更になります。

仕様変更STEP1

最初は、先輩が設計して私がコーディングするという体制で進めていました。ある程度コーディングが進むと、先輩が設計書の第2版を持ってきて、仕様変更だと。しょうがないなと既に書いた部分の修正も含めてコーディングを続けます。そのうち第3版がやってきます。当然、第2版に対するコーディングも終わっていません。

仕様変更STEP2

すると今度は、仕様変更だけど仕様書はまだ出来ていない。変更内容を伝えるから仕様書を更新しておけと。またまたしょうがないなと、仕様書を修正して更にコードも修正するようになりました。

仕様変更STEP3

最後には仕様変更の内容はこうだけど、仕様書を直してる時間ないから、先にコードを書いてくれと。仕様書は後から直せば良いと。もうここまで来ると破滅の足音はすぐそこに聞こえています。当然の如く、仕様書の修正の前に次の仕様変更が入ります。もはや仕様書は完全に追いつきません。もう何がなんだかわからなくなります。仕様はコーディングしている人(つまり自分)の頭の中にしかなくなります。

仕様変更STEP4

設計書の修正が追いついていないので、今の仕様が分かるものはコードのみとなります。となると、当初の設計者も今の仕様がどうなっているのかわからなくなってしまいます。何らかの外部要因により、自分の担当している機能に仕様に変更があるかどうかを設計者も判断できなくなり、本来はコーディングだけしていた自分が影響調査と設計の修正、さらにはコーディングをするようになります。こうなると誰もレビューもできないし、結構重要な機能なのに新人に丸投げ状態になります。あぁ、危険なかほりがしますね。

なんとか本番移行に持ち込む

なんとか本番移行に持ち込む

毎日毎日、終電まで残業し、土日も出勤して、年末年始も元旦以外は全部出勤して、どうにかこうにか本番移行に持ち越しました。本番移行は夜間作業だったのですが、移行日の朝から準備を進めて、その日の夜に徹夜をして作業するという、徹夜前提のスケジュールです。

移行作業当日も、まぁまぁ色々とありますが、なんとか作業は完了し、サービスは稼働し始めました。

初回稼働の立ち会い

初回稼働の立ち会い

私が担当した機能の中で一番メインだったのが、あるボタンを押すと、債権債務情報をかき集めて、取引先毎に請求書もしくは入金連絡書を作り、それをFAX送信し、経理システム向けに仕訳の元データを送信するという仕組みです。

1日1回実行される機能です。初回稼働の際はお客様先で立ち会うことにしました。最初にボタンが押される瞬間はドキドキですね。お客様の担当者とはある程度仲良くなっていたのですが、初回稼働前に色々言われました。

脅し文句その1

「ヨシヲ君、いいの?押しちゃうよ!?もし何かあったら、何億円もぶっ飛ぶよ。」

その日の債権・債務をゴニョゴニョかき回して処理するので、結構な金額にはなります。「ぶっ飛ぶ」とはいえ、何億円がなくなるわけではありませんが、、、そんなこと言われると緊張しますね。大丈夫なはずなんですが、、、、まぁ、はい、大丈夫です。(と言わざるを得ない)

脅し文句その2

「うちのお客様は、小規模の会社が多いんだよ。自転車操業の会社がほとんどだ。もし、うちからの出金が滞ったりしたら、それこそ資金繰りができなくなり、つぶれてしまうこともあるんだよ。君(ヨシヲ)が作ってくれた機能を信用しているけど、もし出金できないようなことがあれば、小規模の会社は潰れてしまって、その家族は路頭に迷うことになるんだよ。」

まさにそうですね。私の作った機能が人の人生にまで影響を与えると思うと、その責任は重大であることを再認識しました。

そして、ポチッとな

ドキドキの初回稼働立ち会いは、特に何事もなく終わりました。あれほど無茶苦茶なプロジェクトだったのに、私の作った機能は、その後も特に不具合もなく動いてくれました。良かった良かった。

タイトルとURLをコピーしました